私的カルチャー日記

ポパイで橋本愛ちゃんが連載しているあれみたいなやつ 最近の音楽/文学/漫画 事情

 

相対性理論 「証明Ⅲ」@中野サンプラザホール

初めて相対性理論のライブに行きました。

開演前のBGMがとても心地よくて、うとうとしていたら幕が上がり。MCがない/観客がこんなにも微動だにしないライブは初めてだったのだけど、まるで異世界に連れてこられたかのような浮遊感。圧巻のライティングと 惚れ惚れするようなギターとツインドラムの演奏と 揺るぎないやくしまるえつこの声と。格好良すぎてクラクラしてしまい 一体ここはどこなの?と歌詞に出てくるようなことを考えたりしたけれど、この音楽さえあれば大丈夫だという気持ちにさせられる。相対性理論の歌詞(特に最新のアルバムの曲たち)は聴き手に寄り添うというよりは距離を置いたような感じがするけれど、 ほんとうにわたしたちを救ってくれるのはこういう音楽なのだなという確信がありました。このライブの後、やくしまるえつこのインタビューをネットで読み漁ったのだけど 自分を、世界を、あんなに冷静に見つめられる人がいるのかと驚いた… 凄まじい人

 

・『もしもし下北沢』 よしもとばなな

突然父親に裏切られて、取り残された今のわたしと母の状況を、この小説が上手に表しすぎていて、ただの物語とは思えない…。どんなにつらいことがあって、泣いて、立ち直れなくても、それでも、残酷ながらも以前と同じ速さで、生活はつづく。「うずうずとした恨みをじっと抱えているほうが、私は健全。 」という台詞にずいぶん救われた。今まで散々父親面しておいて何なんだよ、と怒りがこみ上げたり、ふとした時によぎる想い出のせいで息苦しくなったりするけれど、それでよいのだと気づくことができて良かった。生活の営みと街との関係に興味があるので、下北沢が舞台という設定もぐっときた 行ったことのあるお店や商店街が出てくるときの、物語と現実の境目が曖昧になる感覚がたまらなく良いです。ラストの一節にとても好きな部分があるので、残します。

 

「この頭の中に、体を形づくる細胞たちに、瞳の中に、残っているいろいろな光景だけはだれにも奪えない、ざまあみろ、時間よ。」

 

ざあまみろ、時間よ! いつかわたしも胸はって言えるようになりたい

 

・『西荻夫婦』やまだないと

タイトルに地名が入っている作品が偶然並んだ!

わりと幸せなはずなのに、どこか満たされなくて、拭えない寂しさと空虚 まとわりつく不安 感じているのは、わたしだけじゃないんだなって気づきがあって楽になったけれど途方もない気持ちにもさせられた。漫画の途中に入っている文章がぐっときて、何度も何度も読み返す。ただのほのぼの夫婦のストーリーではなくて、どこからともなくやってきて、こころに留まりつづける 終わりの感覚についてのお話